No.33
第4分科会(A 9:20‐10:00)

発表タイトル 脳性麻痺利用者の共同運動を抑えて、簡単に電動車椅子を操作する方法
都道府県名 愛媛県
施 設 名 三恵ホーム
発表者氏名
・役職名
水田秋敏(ミズタ アキトシ)・理学療法士
[発表の概要]

 脳性麻痺(主に痙直型)をもつ施設利用者であっても、座位と上肢機能がそこそこ獲得できていれば、標準型電動車椅子を操作しての移動が可能である。しかし、一定以上緊張が強かったり、動かそうとすると緊張が強くなる利用者は、手・肩関節・肘関節・体幹が同時に動くこと(以下、共同運動とする)が多く、通常のコントローラーを動かすことが難しい。
 そこで、当施設では、簡易な補助具(単なるゴムバンドの装着)を使ってジョイスティックを動かすことができる症例を発表する。
 この補助具を適用した本症例は重度の障害者ではないが、標準型電動車椅子のコントローラーボックスの位置を動かしても、上肢の共同運動のために運転が制御不能である脳性麻痺の利用者である。つまり、標準型電動車椅子を使えそうな障害者が、緊張による共同運動のため電動車椅子を動かすことができない場合、この簡易補助具の選択的な対象者になると思われる。
 このレベルの電動車椅子駆動を成功させるには、緊張を少しでも制御するために精神的フォローが大切な要素となってくる。例えば、車椅子の動きによる恐怖心や外音などの環境で緊張の強弱が変化するため、適用初期には施設の壁などを傷つけることを想定して、
「施設建物は利用者のためにある」
 ということを、利用者・職員ともに徹底しておくことなどがポイントになると考えられる。

PS:この簡易補装具の周辺機器(スイッチ等)も、時間が許せば発表したいと考えています。


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