受験体験記

平成16年1月25日受験、3月31日発表
合 格 し た 試 験 →第16回社会福祉士国家試験
実際の問題→ここ

   試験センター公式回答での採点

 110点

合格点85点

 自己採点
   LEC   

113点
   東京アカデミー

113点
   日総研

113点
   ジャスティス

112点
   福祉教育カレッジ     

112点
   福祉新聞    

112点
   広島福祉専門学校 

110点
   ユーキャン

109点
   東京国際福祉専門学校

108点

1.念ずるだけでは花は開かない

 私は理学療法士です。病院で5年、その後、療護施設で10年勤めています。
 療護施設では病院時代と違って、リハビリ以外に、いろいろ書類を扱うようになりました。2年前、あやふやではなく、しっかりした知識の裏づけのある仕事がしたいという動機から社会福祉士を目指すことになりました。
 受験資格さえなかった私は、四年制大学卒の入学資格で養成学校の通信制に入学しました。毎月の2本のレポートを提出するのが精一杯で、あのテキストをこなすことも充分にできませんでした。
 私が第16回社会福祉士国家試験の勉強を本格的に始めたのは、養成学校の最後のスクーリングが終わった平成15年8月の中頃でした。学校の模擬試験は、全くの実力で、10点満点中、どの教科も3〜7点だったので、強い不安を感じていた時期でした。
 さらにこの時期、同じ職場の数名(あとで私を除いて4名と分かる)が同じ試験を受けると知って、最年長の私が絶対に試験に落ちることができない状況がつくられ、社会福祉士を目指したことをどこかで後悔し始めていました。しかし、現実から逃げ出すことはできません。そこで、様々な合格体験記をむさぼり読んで、その中から自分に合うと思った方法を実践しようと心に決めました。
 結局それは「ワークブックと過去問」の繰り返しでした(必携はまとめ図表だけ、基本テキストはレポート作成以外では全く見ませんでした)。
 そして、準備段階として、極端ですが、次のことを自分に念じました。

@1回で合格しないと命はないものと思え。(~_~;)
A本試験まで己の忘却と戦え
(つまり、穴の開いたバケツから漏れる水の量より多く水を入れろ)。
B本試験が終わるまで盆・正月は無論、土日もないものと思え。
C試験に役立つと思うことに、お金を惜しむな。

 40歳前の私に比べ、試験を受ける同僚たちはみな25歳前後でしたので、まともにやっていては私一人だけ落ちてしまいます。それには早く取り掛かることと、間際まで継続的に勉強するしかないと思いました。しかし、私が勉強をしようとした8月には、ワークブックはまだ2004年度版が出版されていなかったので、覚悟を決めて2003年度版を購入しました。
 ワークブックの1回目はとにかく一通り目を通しました。覚えながら読むのが理想ですが、ページが変わるともう忘れているような状況だったので、とにかく最後まで一字一句読み通すことにしました。2回目はパソコンにまとめながら読みました。もちろん、後で見直すためです。このまとめ作業は一教科一週間単位として、土日に3回目としてまとめを読み返してから過去問を解いて採点しました。この時点で、4〜8点といったところでした。4回目はまとめを読み返しながら単語カードを作りました。5〜15回目は、単語カードを繰り返しながら、疑問が出たところはワークブックに戻ってカードを増やしました。途中で2004年度版を購入し、パソコンに新規事項を加えていきました。単語カードを繰り返していると、最後には次の問題は何なのか分かった部分も多くありました。
 いつこの勉強は終わるのか、本当にこの方法は大丈夫なのか、という不安が頭から離れることはありませんでした。事実、寝ても覚めても暗記しているという感じでした。特に、仕事中には単語カードは大変役に立ちました。いつもポケットに入れて、昼食や仕事の合間、隙あらば仕事中でも、そして寝るまでの間繰り返しました。計画通りにいきそうにないことも度々ありましたが、1週間をユニットにして絶対に計画を元に戻すことに執念を燃やしました。勉強時間は平日約5時間、土日祝日は約10時間、コンスタントにやったと思います。勉強時間だけなら、トップクラス間違いないと思っています。
 8月の受験勉強開始から受験当日までの間で勉強を休んだのは、精神的に参ってしまい、どうしても体が拒否反応を示した12月26日の1日だけでした。しかし、その直後の大晦日と正月三ケ日はそれまでで一番勉強し、寝るとき以外勉強したような状況でした。
 私がこの勉強をやり遂げられたのは、「なんとしても一発合格したい」という一種なりふり構わぬ執念があったからだと思います。それがなければ、私の精神はぽっきりと折れていました。
 結果的に、ワークブックと過去問(4年分)をパソコンにまとめて、印刷したA4の用紙494枚、単語カード約3000枚が残りました。パソコンに残った文書は、気になった部分の検索の手段として数限りなく活用し、例えば夜中に気になって飛び起きて検索したこともありました。パソコンに情報を入れておいたことは、かなり、時間の節約に繋がったと思います。間違いなく、ひとつの項目について全て見直すことができました。その時期は、今思えば一種の病気でした。

2.試験でできなければ知らないのと同じ

 予行演習に模擬試験を3度受けました。普段の勉強は時間を計っていなかったので、実際の問題対策を実践的にしたほうが良いと思ったからです。これは時間配分と雰囲気をつかむだけでなく、本試験の傾向をつかむのに役立ちました。
 そのどれもが私の勉強法は間違っていないことを裏付けてくれ、さらなる勉強の動機付けとなりました。

 模擬試験の結果をまとめてみました。

模擬試験名

主催

受験日

受験地

点数

平均点

受験者数

順位

全国統一模擬試験

社会福祉士会

11/09

松山

86

67.2

9419

525

直前対策全国模試

中央法規出版

12/01

自宅

90

69.1

2220

122

全国公開模擬試験

LEC

12/14

福岡

112

78.3

1192

20

 特にLECの模試は、本試験と同レベルの問題が出るという謳い文句だったで、本試験の点数を占うために受験しましたが、自分でも驚くほど良い成績でした。結果的に、謳い文句どおり本試験の結果とほぼ同じ点数でしたので、最後の一ヶ月の過ごし方を決めるために受験することを特にお勧めします。ただ、私の場合、あえて会場受験を選んだため、飛行機代やホテル代など思わぬ出費がありましたが、お金は惜しまないことにしていたので迷いはありませんでした。
 体験談を基にした私の勉強法は同じことの繰り返しだったので、「本当にこれで大丈夫なのだろうか?」という不安は、これらの模擬試験を受けることで克服できました。

3.補足的勉強

 基本的には、ワークブックと過去問のみで、間違いなく90点以上取れると思いましたが、本来の勉強法をより確実にし、補足する意味で次のことをしました。
 一つ目は、時間の合間をみて、「2004社会福祉士模擬問題集」を2度やりました。この問題集は少し難易度が高いような気がしましたが、見慣れない問題への対応力がついたように思います。
二つ目は、私の勉強法の欠点である、
@最近の動向はほとんどつかめない。
A過去問に出ていない人名や単語は分からない。
 ことを補足することでした。
 @Aを克服するために、「国民の福祉の動向」の流し読みとLECの直前一夜漬け講座を受けました。おかげで、本試験でも何問か獲得できたようです。決めた勉強法の欠点を冷静に分析して、こういった補足的な勉強をすることも大事だと思います。

4.本試験

 本試験の前々日、雪がかなり降り動揺しましたが、前日は雪もほとんど解け、前泊の行きの列車の中では、思いのほか落ち着いている自分にほっとしました。これは模擬試験を何度か受けた成果だと思っています。
 また、前日試験会場までの道順、時間を実際に見て頭に叩き込みました。いくら勉強していても試験時間に間に合わなければ全く意味がないからです。しかし、会場内の下見は規則されてできなかったので、試験当日の朝は、同じ敷地内の介護福祉士の会場に行ってしまうというハプニングもありましたが、充分時間があったので、落ち着きを取り戻すことができました。
 当日の朝、水分は20CCしか取りませんでした。以前の社会福祉士会の模擬試験で、試験中にトイレに行きたくなって、失敗していたからです。また、昼食時も、水分は食後に口に軽く含んだお茶しか摂取しませんでした。当日は寒かったので、汗をかいて軽度の脱水状態になったりしない確信があったので思い切って水分を制限したのです。これは大成功でした。
 午前の共通では見慣れぬ人名や言葉が多く、かなり動揺して、原論を終えるのになんと20分近くかかってしまいました。私はそれまでの人生で、大切なテストや試験で時計を忘れたり、時計が狂ったり、消しゴムを忘れたりするというミスがなぜか多かったので、今回は時計を二つ持っていました。両方とも確認しましたが、20分かかったのは間違いありませんでした。それからの焦りが尾を引き、共通試験が終わったときには、今までにない妙な感じを掴んでしまいました。むろん見直しはしました。私は模擬試験でも専門が得意でしたので、昼休みに気分を入れ換えてなんとか午後の専門を終えましたが、手ごたえはどの模擬試験よりもありませんでした。しかし、ベストは尽くしたことは間違いありませんでした。

5.試験後

 試験終了後かなり落ち込みました。できたか、できなかったのか分からなかったからです。
「そんなはずはない」という思いが頭に渦巻き一週間の間、自己採点をする気が全く起きませんでした。
 でも、自分の点数を現実として受け止めようと心に決めて採点してみると、どの会社の速報でも108〜113点取れており、2月9日の福祉新聞でも112点取れていることが分かりました。
私は正直ほっとしました。

6.発表

 当日は仕事が手につかず、食後の昼休みの1時少し前からインターネットにかじりついていました。自己採点の点数的には合格と確信していましたが、一時期は受験番号の消しゴム跡のマークの汚れが採点をはじいてしまうのではないか、とまで考えました。


香川県 S371-00601〜S371-00800

S371-00612 S371-00651 S371-00685 S371-00726 S371-00764
S371-00623 S371-00656 S371-00687 S371-00727 S371-00768
S371-00627 S371-00657
S371-00690 S371-00729 S371-00769
S371-00632 S371-00659 S371-00693 S371-00734 S371-00776
S371-00633 S371-00667 S371-00697 S371-00736 S371-00777
S371-00636 S371-00668 S371-00702 S371-00737 S371-00780
S371-00638 S371-00669 S371-00706 S371-00739 S371-00785
S371-00640 S371-00671 S371-00707 S371-00743 S371-00788
S371-00641 S371-00675 S371-00711 S371-00747 S371-00789
S371-00644 S371-00677 S371-00716 S371-00748 S371-00790
S371-00646 S371-00678 S371-00718 S371-00750 S371-00791
S371-00648 S371-00681 S371-00719 S371-00755 S371-00795
S371-00650 S371-00684 S371-00721 S371-00759
S371-00759

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科目

点数
社会福祉原論

8
社会保障論

7
公的扶助論

7
地域福祉論

6
心理学

7
社会学

9
法学

5
医学一般

6
老人福祉論

6
障害者福祉論

7
児童福祉論

10
社会福祉援助技術

24
介護概論

8
   
共通

55
専門

55
合計点

110

 結果は「合格」でした。
 何度も、受験票の番号とディスプレーの番号を確認しました。間違いありません。「合格」です。
 正式回答による採点は110点でした。
 試験センターによる詳細発表について


7.合格して

 もし、合格の秘訣を一言で教えてくれといわれたら、次のことを言うと思います。
「試験に落ちても死にはしないが、死ぬと思えば、こんな試験(言葉のあやです)には落ちない」m(__)m
 今後は、社会福祉士の名に恥じないような行動をしたいと思っています。

PS:今日はニューヨークヤンキースの松井が東京ドームの公式戦で第1号ホームランを打ちました。

    準備した問題集、参考資料(☆→主にやったもの)

・ ☆第12回〜第14回 社会福祉士国家試験解説集 中央法規出版
・ ☆第15回社会福祉士国家試験解説集 中央法規出版
・  2004社会福祉士模擬問題集 中央法規出版
・ ☆社会福祉士ワークブック 上・下 2003年 2004年 中央法規出版
・  必携社会福祉士 上・下 2003年 2004年 みずきの会 筒井書房
・  社会福祉小六法2002 ミネルヴァ書房
・  社会福祉用語辞典 第2版 ミネルヴァ書房
・  国民の福祉の動向 2002年 厚生統計協会
・  LEC直前一夜漬け講座


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