忘れられた申請

 介護保険による貸与制度や身障手帳による補装具申請制度などはよく知られているが、案外盲点なのが厚生年金(障害・老齢・遺族の3種類)による申請制度である。
 この申請は書類が多いので、よく知っている者でないと一からやるには二の足を踏みかねない。しかし、この制度は施設生活者であっても新規の車椅子を出してくれるし、電動でもOKという優れものである。
 5年前の私であれば、書類作成を手伝ってもらう代わりに特定業者への委任になりかねなかったが、それでは利用者の立場に立って利用することができない。
 また、この書類は絶対に医師の署名を必要とする。
 理学療法士の私を信頼してくれている医師には、こちらが書いたものに目だけ通していただいて、署名と印鑑だけを押してもらうので、お互いが楽である。
 ただ、こういうことがあった。何人か信頼関係ができている医師の内の一人に手渡せば良かったものを、そばにいた看護婦さんに手渡した。看護婦さんは、知ってか知らずか、関係のできていない医師の診察室に持っていった。
 のちに、「同じ字でないと改ざんを疑われるので、鉛筆で書いてください」とご丁寧にもメモをいただいた。やんわりと、「医師の書く申請書に触れるんじゃない」と言っていると思った(法律上は医師が調べてすみからすみまで書くことになっている)。なぜそう思うかと言えば、鉛筆書きしておいても、どうせ病院の係の方が私の下書きを加えて(加える方がはるかに多いが…)清書するので、字は何カ所か違うからだ。そんなことは、来て2年目?のその医師よりもずっと前にその病院に6年勤めていた私の方がよく知っている。
「正確には先生が署名したのでは、社会保険庁の書類が成立しないのですよ。書類を書き換えます(私は基本的には医師を尊敬しています)」と言いかけたが、のちのこともあるので、やめにして病院の事務所で書類のことを相談した。社会保険庁の書類には、書く資格のある医師とそうでない医師が分けられている(特に精神関係は)。不正確な書き方をする医師がいるのと、要求していることをかけない医師がいるからであると考える。
 また、厚生年金関係は、平成9年に「記号番号」から「年金基礎番号と年金コード」へと移行したので、よく注意しておかないといけない。
 ちょっと愚痴っぽくなってしまいました。関係者が読まれていたら、ここだけのことにしてください。

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