嘘は良くない。そんなことは、誰でも分かっている。
しかしそれでも、大小は別として、人は嘘をつく。ついてしまう。
小さな嘘なら「ごめんなさい」で済むが、大きな嘘は、それをつき通すために新たな嘘をつかなくてはならぬ。そんなこと分かっていると皆は言う。
しかし、嘘に嘘を重ねるのはつじつま合わせが難しく、ちょっとした隙間から水が漏れてしまうのは、誰しも経験しているはずだ。
だから、大きな嘘はすぐにばらしてしまうか、守るなら絶対にその手を緩めてはならない。絶対にだ。
大学の教授が全科目ぎりぎりの「可」をとって遊びまくって卒業するのは、猛勉強して「優」を取るよりも難しいと言っていたが、大きな嘘を守り通すということは、一生人生ぎりぎりの「可」をとり続けるということだ。全身全霊の矛盾探し旅をずっと続けねばならないのだ。
世の中は広い。そんな人たちに、ある意味私は敬意を表する。