カセットテープに音が保存できるわけ

 今はもうカセットテープも音楽保存メディアとしては古典的になりつつあるが、磁気に変換して音を保存するという発想はすばらしい。
 作るのはたやすいことではないが、原理そのものは簡単である。中学校で学んだ「フレミングの左手の法則」を利用しているのである。
 音を保存する具体的方法はこうである。まず音の振動を電流の強弱に変換する。つまりこの時点ではアナログである。画期的なのはここからである。その電流が流れている線をコイル状にヘッドに巻きつける。すると、コイル状に巻きつけた中心でN極・S極などの磁気が強弱をつけながら発生する。これに感熱するようにテープは磁気を帯びていく。これが音の保存である。
 再生はこうである。テープの磁気に反応したヘッドが電流を強弱をつけて発生させる。この電流を振動に変えると元の音になるのである。
 このような発想はそれだけでも思いつきそうで思いつかない。先人の執念がなせる技である。

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