トーキングエイドαというのは意思伝達装置で、福祉に少し長く携わっている者なら誰でも知っている機器である。あいうえお順に並んでいるボタンを押すと、音声が出る仕組みである。所沢のリハセンターの開発者は、「ほとんど駄目だったけど、あれは当たったねぇー」と言っていた。とここまでは、前置きである。
最近急に気づいたのだが、高校生だったとき、ある友人の父が海外関係の貿易の仕事をしていたとき、海外土産にと言って彼に英語の子供用音声玩具を買ってきていた。
aを押せばそれが音声となり、bを押せばそれが音声となる。しかし、英語は綴りとしての発音なので、子供のおもちゃとして売られていたようだ。今のようなパソコンがなかった時代なので、私は面白くて何度も触らせてもらった。
まさにあれはトーキングエイドαの原型ではないか!
つい最近まで、このことを忘れていた。
あのころから福祉に携わる運命だったのかもしれない。