理学療法士・作業療法士養成学校の附属病院に勤務していた頃、教員資格を取得するため１カ月くらい愛知に住んでいたことがある。
　養成学校、愛知大学、名古屋大学の教員が講師として招かれていた。
　席は自由ではなく、はじめから指定されていた。私の隣にはまだ若いシングルマザーの理学療法士が座っていた。当時はまだシングルマザーなんて言葉はなかった。彼女はどうも在日韓国人の方の子供を産んだらしかった。
　１カ月の間、私は直接聞くこともはばかられ、とうとう詳しいことは聞かずじまいだった。
　そんなことも忘れていた数年後、仲良く納まる夫婦らしき人たちと可愛い子供の写真が送られてきた。
　夫婦の性はやはり違っていた。
　事情があっての別姓（夫婦別姓制度とは違う）なのだろうが、日韓のお国事情が良ければそんなことにはならなかったのだろうと私なりに理解している。