切断と離断とは違う。
切断は本来の関節部ではないところから切れているのである。つまり、骨の一部を切除している。
一方、離断は骨を傷つけることなく、関節部から分離している。「膝離断」のように使い、「膝切断」とは言わない。膝の周囲で「切断」という言葉を使うのなら、大腿切断とか下腿切断のように用いる。
あまり知らない人は、大腿切断より膝離断の方が長いからいいように考えがちだが、そう簡単ではない。大腿骨の下には顆部という部分があって荷重がしにくかったり、義足のソケットを特殊なものにしなければならなかったりする。一番困るのは、ソケットには厚みが当然あるので、義足の膝関節において健側の膝とシンメトリック性(対称性)を保ちにくいので、歩行時のぎこちなさは残ってしまう。
場合によっては、膝に限らず、離断をわざわざ切断にすることもある。