リアルタイム〜ショートショート
H13.07.08

 野球中継を見ることができなかった。
 「うるぐす」では松井が8回に17号ホームランを打ったが、横浜に6−3で敗戦したと言っている。
 松井がどのようにホームランを打ったのか、録画しておいたビデオを早送りする。
 8回途中まで送って再生にして、その瞬間を待つ。
 はやばやと清水は凡退。ツーアウトで迎えるは、3番の江藤。しばらくして江藤はレフト前のクリーンヒットに加えて、横浜レフトの鈴木尚が打球を後ろにそらしたことにより2塁まで進む。 このヒットは3塁走者を迎え、巨人が1点を返す。
 松井がホームランを打つのはこの次である。
 松井が打席に入る。
 初球は、真ん中高めのストレート〜ボール(0−1)
 本来の松井なら、ホームランボールだが、ホームランを打つことは分かっているので安心して見られる。
 2球目は、内角のストライクからボールになるカーブ〜ボール(0−2)
 この回からであるピッチャー竹下の緊張が伝わる明らかなボールである。
 3球目の真ん中低めのスライダーが投げられた瞬間、松井が鋭い眼光を放ち、ものずごく速いヘッドスピードでボールをライト方向へ送り出す。
 出たーー。
 そう思った瞬間、ライトへ放たれたボールはフェンスぎりぎりで捕球される。
 ニュースと違うじゃないか…。
 そのときビデオの中のアナウンサーが言う。
「やはり、スポーツはリアルタイムで見ないと緊張感が伝わりませんねぇ…」

 

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