敬語そのものは大変美しく、他人を文字通り敬う道具である。
しかし、使い方を間違うとかえって人を小馬鹿にしたような言い方になってしまう。
たとえば、
Aさんが、会合へ行くべきか行かざるべきかの問いに対して、
「来て頂かなくても結構です!」
何かおかしい。
本来、「頂く」は、謙譲語であるので肯定文では使われているが、「結構です」とか「迷惑です」の言葉が否定であるので、相手を謙譲するはずの自分の行動を自分で否定するからおかしいのである。
また、「〜も」と「結構です」という単語は、どちらでもよいという曖昧な意味を秘めている。
自分で持ち出した曖昧な「も」を「結構です」と曖昧にするから、よりおかしいのである。
人を小馬鹿にしようと思うなら次のパターンがおすすめである。
上司「今日は残業するので、弁当買ってくるよ」
部下「私が承りましたから、行って頂かなくても結構です!」(ピンクを強く言う)