入試制度

 先進諸国の中で筆記中心の大学入試制度は、日本しかないというのは驚きだ。
 スウェーデンの労働経験を高校の単位にすることや、イギリスのギャップ・イヤー制度のことはどこかで聞いたことがあったが、日本ではよほどのことがない限り、現実化することはないと思う。なぜなら、日本社会はまだまだ、学校の勉強と現実社会をきっちりと峻別する傾向にあるからだ。
 こういったことは、がむしゃらに勉強する人を世間が特別視する環境の一因にもなっているだろう。学校での勉強が社会と直接関わりやすいものになれば、世間の見方も変化するだろうし、学校での学生も生き生きしてくるのだと思う。それが自分の社会人生に密着してくるのだから。だから、社会に出て関係してくる理系の学生は割合よく勉強するというのは、やはり納得せざるをえない。
 何でもそうだが、目的がはっきりしない行動に意欲が生じるわけがない。この場さえ乗り切れば、という気持ちが出てくるのが正常な人間だと思う。

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