こぶし

        拳をふりおろしてくれれば
        俺はどんなに楽だったか
        君は顔を真っ赤にして
        ぐっと我慢しているようだった
        俺が君にしたことは
        許されることじゃない
        そんなこと分かっている
        君に言った言葉は
        八つ当たりかもしれない
        きっと君も分かっていた
        でも黙って耐えていた
        拳をふりおろしてくれれば
        俺はどんなに楽だったか★

       
   
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