受給権


 昭和60年の年金改革は、基礎年金の導入という一元化、給付の平等化、妻の国民年金への加入義務づけだった。
全国民共通の基礎年金(老齢基礎年金、障害基礎年金、遺族基礎年金)を支給し、これを1階建て部分としようというのである。国民年金基金、厚生年金保険、共済年金に加入している人は、それが2階建て部分になる。
 旧制度は何が問題だったのだろうか?
 ひとつは、妻固有の年金権がなかったため、任意加入の国民年金に入っていないと、離婚すれば無年金になったり、障害年金の保障が無かった。ふたつめは、夫への支給が世帯単位であるという考えだと、妻が個人単位の支給を別に受けようとすると過剰給付が生じる。
 平成元年から満20歳になったら学生でも国民年金への加入が義務づけられた。当時20歳になった人の中には、国民年金が強制になったとは知らない人が結構いた。健康なら問題ないが、障害を負って働けなくなって障害基礎年金の受給権を得られない人が出てくることになる。
 年金構造改革はあとでできても、それにもてあそばれた個人の障害基礎年金の受給権をあとで勝ち取るのは制度上は不可能である。
 うちの施設には上記のような方がおられる。関係者の方是非ご一考いただきたい。

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