二十歳の原点
最近本など全く読まなくなったが、それでも私の心をとらえて
離さない本がある。
ご存じかもしれないが「二十歳の原点」 の高野悦子さんである。
内容は彼女の日記である。
初めて読んだ22歳の頃、「清冽」なんて美しい言葉や「苦悶」「煩悶」
なんて表現があるのを、僕はこの本に会うまで知らなかった。高校時代
から彼女は、何の苦慮もなくこれらの言葉をちりばめる。
こんなおっさんになっても、とてもじゃないけど追いつけない。むろん
言葉だけではない。何度読んでも納得し、尊敬し、勉学が足りないと思う。
彼女の影響もあって、日記を付けたことがある。今読むとどうしてこんな
ことに悩んでいたのか、おかしくてたまらない日付もある。
でも人間そんなものかも知れませんね。
高野さんで ただ一つだけ尊敬できないのは、立命館大学の学生になった
彼女が二十歳で自殺したことだ。何度読んでも、本当の原因が分からない。
何年か後には密かにその答えを見つけたいと思っている。(11.08.10)
ブレイクタイムへ