幸福の黄色いハンカチ

 映画「幸福の黄色いハンカチ」を見たことがない人は、そうはいないと思う。何度もテレビで放映されたし、有名な原作だからだ。
 案外知られていないのは、外国人の原作で「リボン」だったのを、山田監督が視覚的効果を狙って「ハンカチ」にしたことだ。
 私も今日を含めて5、6回は見ているが、見る度にいろいろ思わされる映画である。
 全く知らない者同士が車に乗り合わせる設定には少し無理があるが、そのことは話が進むにつれて忘れてくる。
 刑務所に入っていた高倉健がふんする「ゆうさん」は、日本人男性が持ち合わせている要素が集約されている。シャイで少し古風で、怨嗟の要素を持ち、礼儀正しい。それに対して武田鉄也ふんする「きんちゃん」は、この映画が高倉健にとって仁侠映画から抜け出す第一弾として決して暗くならないように配役され、かつ「ゆうさん」の心の声をうまく代弁する。
 健さんとの競演を喜んでいた故・タコ八郎は、本人の希望で本当に殴られている。注目したい。

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