作戦指令:液晶ディスプレイを蘇生せよ!
H20.01.17

 パソコンの画面を見ていた液晶ディスプレイ(BENQ FP937S+)が昨年の大晦日も押し迫った月末に突然真っ暗となった。電源スイッチは緑色で暫くすると橙色になる。買ったのが平成17年9月だから、2年3ヶ月しかもたなかったことになる。
 修理に出したらおそらく技術料と部品代だけで3万以上とられるので、新品を買ったほうが早いので放っておいたが、年明け10日頃から自分で修理することにした。
 よく見ると、かすかに表示はしているので、バックライトかインバータの故障ということになる。しかし、明るさがちらついたことはないし、2つのバックライトが同時に切れるのは考えにくいので、インバータの故障と断定した。 
 まずはインバータの基盤を取り出した。これがなかなかややこしかった。
 基盤裏をよく見てみると、
の間の箱型コンデンサの2ヶ所の半田のうち1ヶ所が浮いている。
 たしかに台湾のBENQ製品は半田クラックを起こすと聞いている。ええい、と盛り盛りの半田付けをして元に戻して電源スイッチを入れてみる。

  ・・・そう甘くはない。全く変わらない、バックライトは点かない。・・・

 仕方ないので、本腰を入れるべくヒューズを探す。PFという頭文字がついたものがヒューズだと聞いたので基盤を見てみると、黄色マルの部分にあった。3Aと書いた遅延型ヒューズだ。遅延型は大きな電圧に耐えやすい代わりに、ヒューズが切れる前に他の部品がやっつけられてしまうらしい。
 テスターで検査してみるとやはり切れているので交換しようとしたが、あちこちさがしたがそんな気の利いたヒューズはない。またまた仕方ないので、菅ヒューズ(3A、125V)で代用することにする。次の交換のことを考えてヒューズホルダーをつけたかったがないので、見回すとクリップがあったので、まあこれでいいだろう、ということでクリップを巻きつけて基盤に刺して半田付けした。これでええんか?
 原因を確定せずに、ここで焦って電源を入れるとたぶんヒューズとやられていない部品までやられる可能性があるので今度は良く考えた。
 
の間の箱型コンデンサに半田付けしたところが最初から弱くて、こうなったと考えるのは甘すぎるような気がする。
 両隣の
のトランジスタを引き抜いてみる。

あっ・・・、熱を掛けすぎて基盤の裏のパターン線を剥がしてしまいました(^_^;)。よけいにややこしくなりました。

 とりあえず、そのトランジスタをテスターで検査。本当はメーカーのデータシートを見ないといけないのだけど面倒なので、トランジスタに書かれていた「C5707」という文字を元にネットで検索すると、正式名は、「2SC5707」らしい。なぜ2Sが省かれているのか無論知らないけど、

BC間の抵抗約28.0MΩ BE間の抵抗約28.0MΩ CE間の抵抗・・・・
という簡単な情報があった。

 検査、検査。2つともBC間とBE間の抵抗は不安定で、CE間は導電発生している。短絡らしい。
 仕方ないので(何度目かいな)、「2SC5707」を買うことにした。ネットで検索したが販売がなかったので(あとでエリスショップで販売していたことを知る)、代用品になりそうなものを探すと、以下のものが代用品になりそうだと判明した。

2SA2040 2SC5000 2SC3709A 2SC3709 2SC4881

 まず、「2SA2040」でネット検索するが見つからない。次に「2SC5000」で検索すると結構出てきた。しかも液晶ディスプレイの修理の項目で出てくるので力強い。他も同様に調べたが、やはり「2SC5000」が修理項目では一番多いようなのでそれに決めて、ネット購入することにする(あとで困ることが出てくるが)。
 以前、リンクステーションの電源部品を買った千石電商で検索してみるとあった。1個126円なので5個購入。630円也。送料1090円、って送料の方が高いやないか!
 届いたので、早速
につけてみる。ここはパターンを剥がしてしまったので、パターンに従って、導線も貼り付けていく。ついでに部分2個の「2SC5707」も「2SC5000」に交換する。
 すべてつないで、電源スイッチを入れてみる。
 ロゴがでたあとバックライトはついたが画面はでない。いつまで経っても真っ白である。そして電源スイッチを切って再度入れるとロゴしか出ないことがあったりその後また真っ白にバックライトだけ点くこともある。点いたときは、ディスプレイの電源スイッチを切っても点きっぱなしである。

・・・あきまへん。・・・

 ネットで「ショート  強制的  CCFL  点灯」というキーワードで検索すると、「2SC5707」を検索していたときによく出てきていた「FU9024N」が出てきた。読んでみるとSD間をショートさせるとバックライトを強制的にを点灯できることが判明する。ということは、もし「FU9024N」が基盤にあればそれがショートして壊れていてバックライトが点きっ放しになるのではないかと考えた。

 ・・・ありました。・・・

 「FU9024N」が○の部分にありました。ついでに、の部分にもありました。2つとも外して検査すると、○が壊れていました。上のバックライトの常時点灯はたぶんこれが原因でしょう。新しい「FU9024N」を買わないといけませんが、またまた、ありません。同等品は「2SJ504」らしいです。これは読んだページに書いてありました。購入先も信用しましょう。「POWER MOS-FET 2SJ504」を秋月電子Web通販で3個買いました。200円×3個で600円です。送料は500円で、ちょっと良心的です。
 部品が届いて早速○を交換し、大丈夫のようですが
も、とりあえず交換です。
 ここで、一旦全て閉じることにします。

・・・ここで問題発生です。・・・

 基盤を収めることが出来ません。これは物理的空間の問題です。ついでに交換したの2つの「2SC5000」の背が高すぎて金属の内ケースに収まりません。の元の「2SC5707」は検査せずに交換したので元の部品を探して検査してみます。どうやら壊れていないようです。の2つは元に戻しました。
 再度試すと、当たり前ですが、今度はきちんと収まりました。代替品はサイズも良く考えて決めないといけません。
 外ケースも元に戻して、パソコンをつないで電源スイッチを入れました。
 ロゴが出た後、パソコンが立ち上がり始めましたが、またまた問題が・・・。やけに赤いです。しかし、最初の数秒ですから、通常使用にはまったく影響なさそうです。バックライト自身が古くなったとき、起動時に赤くなることがありますが、今回はバックライトが急にやられることは考えられません。インバータ側の問題かケーブルの接触不良かもしれません。

・・・でも疲れたので、この件は気のせいということにさせて下さい。(^^♪・・・オイオイ





以下分解手順です。時間の関係でコメントは割愛します。



























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