道徳という言葉がある。とても社会的で安心できる言葉である。
 簡単に言えば、あんなことすべきではない、これはすべきだということだろう。
 しかし、これは刑法とは一致しない。
 どんなに道徳的に悪いと思われることであっても、刑法の条文(構成要件という)に書かれていないものは、決して罰せられることはない(罪刑法定主義という)。たとえば、刑法199条がなければ、人を殺したって罰せられることはないというわけだ。
 法律はどれも完全ではない。試行錯誤を繰り返しながら、よりよい方に向かっていく。
 法律の勉強をするのはそうした点を見るものだと思う。
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