太宰治の「人間失格」を呼んだとき、僕は他の人とちょっと変わった点に感想を持ったかもしれない。
 ヒロポン?
 ヒロリンとちがうのか(ちなみに人の愛称)。
 それは、戦争前後の質の悪いモルヒネだと知った。
 この「人間失格」は、構成が面白い。最初のはしがきと、最後のあとがきは、太宰が書いて、あいだの手記は他人が書いたという設定である。
 内容もさることながら、このやりかたは何とも面白いやり方である。
 このやりかたを真似たら、凡人は文学が成り立たないだろうと思う。
    
ブレイクタイムへ          H11.8.28