兆候
H14.05.14

 
 
いまさらだが、心臓は3本の冠動脈という血管で養われている。
 動脈硬化や血栓によって脳が詰まるように、冠動脈も詰まったり、つまりかけたりすることがある。
 詰まりかかったのが狭心症、詰まってしまったのが心筋梗塞である。ちなみに、乱暴な言い方だが、心臓の悪い人の冠動脈等から血栓などが脳血管へ飛んで詰まったものを特に、脳梗塞と対比して脳塞栓という。だから、脳塞栓という診断名がついた人は、心臓が悪いと思ってほぼ間違いない(なぜ言い方が乱暴かといえば、心臓に限定したから)。
 冠動脈1本が詰まりかけたくらいなら(^_^;)、まず命に別状はないが、失神したり、息苦しかったり、違和感を感じたり、動悸がしたりする。まだ、これなら、心臓かと思いやすいが、軽いときは主に左の歯茎が痛くて虫歯と間違えたり、肩が痛くて肩関節周囲炎と間違われることもある。
 今は昔と違って、カテーテルという管をソケイ部や肘前面から入れて、小さな風船を膨らませることによって詰まった部分の血管を拡張する。勘違いしてはいけないのは、詰まった物をのけるのでなく、ひっついたまま横に押しやるのだ。だから、何万件に一回の頻度で血管壁からはがれた物が血栓となって飛んでいく。運が悪ければ、脳塞栓になる。
 特に老人と接するときに、肩が痛いとか歯が痛いという会話が出たら、絶対に聞き逃してはいけない。それが、素人とプロの福祉人の決定的な違いである。  




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