あの日の少年
死について考えたことがありますか?
自殺ではなくて、老衰や病気、その他不可抗力による死についてである。
医療や福祉の現場にいると、多くのことを考えさせられる。こんなこと言うと叱責されるかもしれないが、死を間近にした人に対する神様の仕打ちは残酷である。
一昔前、ドゥシャンヌ型筋ジストロフィーの少年に、3ヶ月ほど接することがあった。ドゥシャンヌ型というのは特に始末のわるいやつで、今でこそ20歳すぎまで生きていられる者もいるが、以前はせいぜい15歳くらいまでに筋力低下による呼吸困難が原因で亡くなっていた。
私は彼にする厳しい訓練などには疑問を感じざるを得なかった。
「もっと、やりたいことをさせてあげたい」
私の思いは形になることはなかった。
今もそのころの事はよく思い出す。
あの少年はどうしているだろうか?
堕胎児を使って合法的に実験をしていた園長は、あのときと同じように子供たちに優しいだろうか?
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