あの頃

「書き物」で本当に食べていこうとした時期があった。もう10年近く前になる。
 寝る間も惜しみ本を読んだり、小説を書いていた。
 文学界新人賞、すばる文学新人賞、群像新人賞、潮新人賞、坊っちゃん文学賞、……、などなどあらゆる賞に応募した。地方同人誌では入選もしたが、全国応募とはいえあくまで同人誌。
 日本初のパソコン通信で応募するパスカル文学賞では、同じ年の応募者の中から芥川賞作家が誕生した。同じ出発点に立っていたんだと思うだけで、今でも胸が高鳴る。しかし冷静になってみれば、どの賞も何千という応募があるのだから、そういうことがあるのも不思議ではない。
 現在はあまり時間がなくて、レベルが落ちた駄作をこのHPに乗せている程度である。 一作につき原稿何十枚、何百枚と書いたのだから、結果ではなく書くことを楽しんでいたのだと思う。確かに今でも書くことは私にとって面白い。そうでなければ、このような更新はとっくの昔に辞めているだろう。
 最近は、インターネットという手段を使って、数少ない読者に読んでもらったりメールを交換する日々を過ごしている。

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